月刊FOODWORLDメールマガジン2016年 10月号から抜粋
FOODWORLDにおける産地管理
こんにちは。10月号担当の「たぬき次郎」です。
今月は「FOODWORLDにおける産地管理」についてお話しします。
現在、食品ラベル表示は対象や内容について常に議論され、義務化・制度化が進んでいます。
食品加工業に身を置く方は常にその動向を把握し、業務に反映しているものと思われます。
今回は表示義務化されている内容の中でも『産地表示』について、カット野菜工場を例にお話ししたいと思います。
生鮮食材を使用した加工品に関する産地表示は、細かい定義は省略するとして、「重量の割合が50%以上を占める原材料について、その原産地を表示する」と定義されています。
最近、FOODWORLDではカット野菜工場への導入が増えており、野菜を使用したお客様の工場でももちろん食品ラベルの表示には神経を使って日々工場運営しています。
産地に関する運用について、キャベツを例にお話します。
まず、産地は入荷ロットで変化する場合がありますね。
- 今の在庫は「千葉県産」
- 明日の入荷は「茨城県産」
場合によっては日々入荷し、毎日産地が違うなんてこともあるかもしれません。
となれば加工で使用するキャベツの産地によってラベルの表記を変更しなければならないということになります。
対象はキャベツを使用している商品となり、ラインナップによっては数品~数十品に上る場合もあり、ラベル内容の変更作業は非常に負担がかかります。
実際、ラベルへの産地表記を変えるということは、文字数の変化により表示レイアウトの調整なども必要となります。
またそれらラベル情報を変更する行為により、価格などその他のラベル情報を誤って変更してしまうなどラベル表示事故の可能性がでてきますので慎重な作業を要求されます。
そして、キャベツだけならば良いが・・・その他の野菜も同様ですね。
このように、日々産地を管理することは非常に大変な業務となることが分かります。
あるユーザーでは、日々の産地変更に係る、
- ラベル変更の負担を軽くしたい
- ラベル変更の漏れを無くしたい
- 社内のみんなで、本日の野菜別の産地を共有したい
を解決するよう要件を整理し、FOODWORLDを活用しています。
簡単に言えば、対象となる原材料別に産地を入力し、それをラベルに反映するというものですが、
- 本日加工で使用する原材料(野菜)について産地を入力する。
- 入力した原材料別の産地を帳票(産地表)に出力します。
- 対象原材料を含んでいる商品を検索(レシピの逆引き)し、商品ラベルの記載(産地情報)を自動変更する。
- 商品・得意先によっては、納品書へも産地情報を記載するため、納品書情報も更新する。
といった内容です。
例えば、『キャベツミックスサラダ』という商品があるとしましょう。
その商品のラベルへの記載は、本日加工に使用するキャベツが
・千葉県産ならば
⇒「原材料名/キャベツ(千葉県産)、・・・」
・千葉県と茨城県ならば
⇒「原材料名/キャベツ(千葉県産・茨城県産)、・・・」
という具合に変換されます。
産地情報は単一産地の場合もあれば、複数産地の場合もありますね。
このようなケースも含めてシステムが自動検索・自動変換しラベラーへ情報送信することにより、大幅に作業負荷は軽減され、変更漏れの心配も無くなると思います。
納品書も同様です。
また、この産地管理はラベル内容の変換作業の軽減だけではなく、別の運用面でも活用できます。
例えば上記2.の産地表。
これを在庫担当・購買部門・製造部門と工場全体で毎日共有することにより、誤運用を避けることができます。
ラベルの表記が変わればよいというものではなく、実際に加工で使用されるものがその通りでなければなりません。工場全体で共通認識を持って作業に当たることは非常に重要な運用となります。
FOODWORLDにおける産地管理のイメージは動画でご覧いただけます。
是非、ご覧ください。
今回の産地についての話は義務化・制度化における一例ですが、今後もこのような事例をどんどん紹介していきたいと思います。
今後のFOODWORLDにご期待ください。
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