月刊FOODWORLDメールマガジン2016年 11月号から抜粋
HACCP義務化に向けてITが出来る事
こんにちは。11月号担当の「たぬき五郎」です。
今月は「HACCP義務化に向けてITが出来る事」についてお話ししたいと思います。
既に国際標準として定着してきているHACCP。
今だ日本は義務化が施行されてはいませんが、国際的な食の安全への対応を踏まえ、HACCPの義務化は時間の問題とされています。
しかし、まだ「いつ」「どこまでのレベルで」と言った事や、オペレーションPRPとの関係やその扱いがどうなって行くのか、何も見えていないのが実情と言えるでしょう。
企業が新たにHACCPを導入・維持して行くとなれば、それなりにパワーが必要となります。
しかしながら、昨今の人手不足は食品業界にとどまらず、今後若者世代の減少と共により大きな社会問題として顕在化していく事が予測され、こうなると「人手」こそが最も希少で高コストのリソースとなって来ると考えられます。
そこにHACCP運用に伴い、データの採取・記録・保管と言うこれまで人的に行っていたような作業が義務化されれば、益々マンパワーを搾り取られる結果になってしまいます。機械やコンピュータで出来る事は、機械やコンピュータに任せてしまいたいものです。
そんなお悩みに対して我々IT企業が皆さんの為に何が出来るのかを、我々なりに考えてみました。
- 今出来る技術
既にITの技術によって以下のような情報は、機械やコンピュータが勝手に
情報をログとして収集・蓄積し、必要に応じて閲覧が出来るようになっています。
・倉庫や工場の温度・湿度
・入退室記録
こう言ったシステムは既に導入されている会社さんも多いのではないでしょか?
- ある程度確立されているが、それほど普及していない技術
例えば食品の中心温度測定器。当然ながら食品加工業者様であれば、 中心温度測定における安全管理は皆さん実践されている事でしょう。
HACCPで規定されている3つの危害要因の中でも「生物的危害要因」 に対しては、温度管理が最もスタンダードな対抗手段になります。
しかし、測定結果を手書きで記録している、あるいはタブレット等に手で打ち込んでいる・・・と言う運用をされている所も多いのではないでしょうか?
既に測定器(子機)が採取したデータをWiFiで親機が吸い上げて、サーバに送信・蓄積する・・・そんな製品も出回っています。
もちろんそれなりに取扱の習熟が必要ですが、慣れてしまえば懸念されるマンパワー不足の解消に繋がりますね。
- これから普及が期待される技術
HACCPにおいては、製造工程にて稼働している機械が目標通りの性能を維持しているか?
(例えば加熱装置や冷却装置が目標温度を維持しているか?)などと言うモノの状態をモニタリングして行く事もしなくてはなりません。
これに対してはIoT(Internet of Things)と言う昨今のIT業界における一つの潮流があって、皆さまの業務に当てはめると、モノ(あらゆる製造機械)がネットワーク端末の機能を持ち、自動的にログを採取してネットワークへアップロードし蓄積・閲覧する・・・と言う応用が可能になると考えられます。
HACCPの義務化にも代表されるように、お客様に食の安全・安心をお届けするために、食品加工業者様が越えるべきハードルは、益々高まっていくことが予想されます。しかしそれに追随してIT技術もまた、そう言った時に必要になってくるパワーを少しでもお助け出来るよう進化していきます。
FOODWORLDでもまた、こういった技術に対応出来るよう新たな機能の充実を図り、皆さまの業務を効率化し、迫るマンパワー不足時代のお悩みを解消して行きたいと思います。
HACCPに対応する上でのITの役割イメージと実例を簡単にまとめた動画をTips動画として公開しています。ぜひご覧ください。
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