月刊FOODWORLDメールマガジン2018年 7月号から抜粋
HACCP義務化におけるトレーサビリティと温度管理
こんにちは。今回の記事担当のたぬき次郎です。今回は「HACCP義務化におけるトレーサビリティと温度管理」について説明したいと思います。
「原則として、すべての食品等事業者に、一般衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施を求める。」
食品衛生法等の一部改正に伴う『HACCP義務化』が走り出しました。
近頃、FOODWORLDユーザーも含め、新規の引き合いにおいてもよく耳にするキーワードは「HACCP」です。
義務化を受けて多くの食品関連事業者が動き出した感があります。
今回は「HACCP」に一部関連した、ユーザーとの最近よくある話題や要望について紹介します。
FOODWORLDは大きく括ると生産管理システムという位置付けですが、HACCPの危害要因の記録という部分とFOODWORLDの製造実績部分は関連してよく議論されます。
その中でも最近よく挙がるキーワードは、「トレーサビリティ」と「温度管理」です。
そもそも、現在もお客様のほとんどの加工工場では「温度管理」は実行されています。
・焼き物や揚げ物等は中心温度の記録を取る
・冷蔵庫/冷凍庫は定期的に庫内温度の記録を取る
・仕入段階の表面温度を記録する
多くは、これらの情報を記録した紙をそのまま保存しています。
トレースに関しても同様ですね。製造の情報や使用した食材の情報(消費期限等)等を記録し保存しています。
・いつ/どこで/何を:作った/使った
・誰が作業した 等
これも温度と同様に手書きの紙で保存されることが多いようです。
トレーサビリティの目的の一つに、原因追求できる情報の記録というものがありますね。
もしある日ある商品から食中毒が発生したとしましょう。
トレースの記録をもとに原因を追究するわけですが、
〇誰が担当したのか/体調はどうだったのか
〇適正な食材(範囲内の消費期限)を使用したのか
・
・
〇原因が分かれば、他の商品に影響はないか
〇それはどこに出荷したのか
・
・
...大変ですね。
ここで留意するのは、物と温度の関連性です。
商品の品質を管理する上で「温度」はとても重要な要素です。
〇使った食材の保存状況(倉庫の温度)はどうだったのか?
〇製造した部屋の温度は適正だったのか?
〇しっかりと中心温度は満たしていたのか?
〇商品の保管庫は正常だったのか?
・
・
・
それぞれ分散した手記録では、確認作業は困難を極めます。
そこでシステムとして議論される内容は、記録の一元化です。
FOODWORLDがトレーサビリティに対応していることについては以前のメルマガでも紹介しましたが、そのトレース機能を活用したうえで、そこに温度の記録をリンクさせるという事です。
また、その温度情報は入力するのではなく「連動する」という考えです。
各工程や倉庫に温度計を設置し、定期的に温度を取るよう設定できる温度計機器があります。
それら各情報は無線で親機(ロガー)へ飛ばされ、そこからネットワークを経由してFOODWORLDへ全ての温度計情報をインターフェースするというものです。
中心温度計についても、無線で情報を送信できるものが存在していますので、同様にインターフェースできます。
これにより、FOODWORLDに記録したトレース情報(入荷・製造・出荷)に温度情報(保存温度・作業温度)がリンクされ、一元的にかつ簡易的に記録の参照が可能となります。
〇現場での手記録の軽減
〇膨大な紙面による保存の廃止
〇記録の連動/一元化による追跡作業の軽減
今回クローズアップした「温度管理」はHACCPという枠でのごく一部の要素ではありますが、食の安全・安心というキーワードに対し、FOODWORLDは今後も色々なお手伝いができるものと考えております。
その中で、私たちはお客様と一緒に課題を共有し、時勢に合ったベストな方法を提案して行ければと思っています。
★★★HACCP自己診断のお知らせ★★★
現在FOODWORLDホームページにおいて、HACCP自己診断シートのお申込みを実施しております。
詳しくはFOODWORLDホームページの「HACCPサポート」ページをご参照ください。
http://www.foodworld.jp/products/haccp-op
FOODWORLDメールマガジンはお客様へ最新の情報提供や、当社ならではの製品紹介を、読んで楽しいコンテンツとして毎月配信しております。
メールマガジン2018年 7月号を見る