月刊FOODWORLDメールマガジン2021年 5月号から抜粋
現場指示書のペーパーレス化
こんにちは。5月号担当の「たぬき次郎」です。
今月は「現場指示書のペーパーレス化」についてお話しさせて頂きます。
私たちはFOODWORLD(以下FW)を導入時又は導入後において、ご要望に応じてカスタマイズを行っています。
最近の傾向としては、現場業務の改善として機器やデバイスを使用するケースが増えています。
今回は、最近いくつかのユーザー様からお問い合わせ頂いた話として「現場指示書のペーパーレス化」についてお話したいと思います。
FWにおいて指示書出力(加工指示書や仕分指示書など)は生産管理の中核機能であり、多くのユーザー様ではこれら指示書を紙で出力し製造現場にて活用されています。
具体的には加工指示書とは「いつ・どこで・何を・いくつ・何をいくつ使って製造しなさい」が示されたもので、多くはA4又はB4用紙に印刷されます。
特に弁当や総菜の工場では、製品はもちろん仕込や半製品の種類が多く、仕込~単品~半製品~製品と段階的に細分化された工程に分けて製造しますので、それらの指示書となると枚数は必然的に多くなります。
また、比較的高齢者が多い工場では文字を大きくするなど工夫されており、さらに印刷枚数の増加にもつながっています。
そしてさらに仕分指示書・出庫指示書もとなると...これにより工場によっては年間に数百万円のコストを計上することもあります。
そして、この指示書は現場に持ち込まれるため、いくら注意しても切れ端などが混入する可能性(リスク)が発生します。
このような実情から、これら指示書機能をペーパーレス化するという考えに至るのですが、目的は大きく2つ、
・異物混入対策
・コスト削減
となります。
また、このような理由もさることながら、今は何においてもITが導入されていることが普通の世の中となっています。
ちょっと大げさですが、車も自動で運転される時代です。
工場における人・モノ・情報をつなげる手段として、そしてこのような時代の工場運営を考えるとき、IT技術の議論が前提となることはごく自然の流れと思います。
では具体的にはどのような手段で実現するのでしょうか。
一般的な方法を挙げてみましょう。
〇大型モニターの設置
紙の代わりに大型モニターを設置し、現場の作業者で情報を共有できるようにする手法で、異物混入やコスト対策に有効な手段ですね。
デメリットとしては、参照したい情報を切り替えるにはPCを操作しなければならない事や水場に弱いことでしょうか。
また部屋の広さや設置方法・モニターの大きさにもよりますが、近くに寄らなければ見えないこともあります。
〇タブレット/ノートPC
紙の代わりに持ち運びが可能なタブレットやノートPCを部屋(工程)で使い回して、見たい情報をその場で操作して参照します。
手持ちのコンピューターをその場で使用しますので、製造指示情報の参照のみならず、その場で製造の実績(使った・作った・中心温度など)を入力することも可能で、HACCPやトレーサビリティへのツールとして有効活用することも可能です。
そしてこれらの手段を講じる際、検討ポイントや問題点が出てきますので、いくつかその事例を挙げてみます。
☆現場からの反対
今までの方法を変える時、たいてい何らかの「反応」があります。
もちろん歓迎の反応もありますが、特に「アレルギー反応」的なものは少なくありません。
現場で慣れ親しんだ方法が変わるという理由に加え、ITに馴染みのない世代の方からの反応...想像できますよね。
実情として、惣菜や弁当の加工工場における現場で働く方々の年齢層は比較的高い傾向にありますので、この話はよく出てきます。
この問題については、粘り強く現場と議論を重ねたうえで、トップダウンでブレずに進めることが成功へのカギではないでしょうか。
☆インフラ関連の問題
上記の手法でまず挙がるのがインフラの問題です。
どちらもPCやタブレットに向けてデータベースからの情報取得が必要で、設置した各部屋まで情報が届くようにネットワーク環境を整備しなければなりません。
有線(LAN)・無線(Wifi)どちらでも構わないのですが、LAN敷設工事やアクセスポイント設置などが必要となるケースが多くあります。
工場を建設した際にこのようなケースを想定していればよいのですが、年数が経っている工場ではなかなかそこまで事前に検討してあることは稀で、この問題にぶつかるケースはよくあります。
ちなみに、「工事費用が高くなるからキツイな...何かほかに案は無いかな...。」というような場合は、
・ではオフラインでの実現の可能性を探ってみましょう。
または、
・各部屋に有線工事は大変だから部分的ににして、あとは無線でカバーする事とするか...いかがでしょう。
などという方向になります。
と、このようなハードルを抱えつつ問題解決に向かっていくわけですが、判断によっては完全に実現することもないという結論もありますよね。
例えば、まずは部分的に実施(この工程だけ など)や段階的に実施(この工程から順次 など)、という事もあると思います。
また、上の事例であった大型モニターの不便さの解消案としてはタッチモニターを使おう、などレベルや手法の検討の余地はたくさんあります。
このように「やりたいこと」に対して、「できるかな?」(実現性)や「こんなにかけて意味あるかな?」(費用対効果)などを総合的に検討し判断されることになるでしょう。
「〇〇したいなぁ、と思ってるんだけど…」レベルでも構いません。
一緒に考えましょう。いつでもご相談ください。
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